「…どういう状況なわけよそれ」 太乙が呆れた表情でに尋ねる。全身水浸しの彼女から落ちた雫が保健室の床を汚していく。「えへへ」は笑う。「転んじゃった」 「あのさー、普通転んでそんなに濡れるかい?大体雨が降ってるわけでもないんだし」 「んー、プールに落ちちゃったの」 「あーそっかーそれは災難だったね〜…って君バカ?」 暦の上では春になったといっても今は肌寒い冬だ。プールに水なんか、入っているわけない。 ほら、と言ってタオルを渡した。ありがとう、と言いながらは髪から順に拭いていく。ストーブの前に立ち、制服のリボンを解いてシャツのボタンを外していく。白いシャツからは水色の下着がうっすらとすけていた。 「一応私も男なんだけど?」 「あれ、先生発情期?」 「ばっかじゃないの?ほら、風邪ひくから」 保健室に常備してあるださい下着と太乙が着ていた白衣、そして毛布を渡して、に着せていった。今時の女子高生にしてはずいぶん色気のない身体つきだと、太乙はいつも思う。細すぎて骨の形がわかる不健康そうな腕と足。申し訳なさそうに下を向いている乳房。随分と切っていないのであろう伸ばしっぱなしの髪の毛。白衣のボタンを全て止めて、頭から毛布を被せる。今この状況を誰かに見られたら、すごい勘違いをされるんだろうな。そう考えると少し笑えてきた。(私と、がそういう関係?笑わせないでよね)。同じことを感じ取ったのがもクスクスと笑う。青紫の唇が少しだけ震えていた。 (アカネ) あれです。この子いじめられててうんぬんみたいな。太乙も気がついてて何も言わないみたいな。最初から暗くてすいません…。保健室太乙!お母さん太乙!ラブ! (060402/なぎこ) |